東京都江戸川区「京葉交差点宝くじセンター」で販売歴30年の吉田ツヤさん(81)。その右手の親指の先は,タコができて変形していた。
「紙くじは指先の脂を全部吸ってしまう,とくに親指がひどくて・・・。まぁ,朝から晩までひたすら売り続けてきた勲章みたいなものです」
じつはツヤさんの売り場も宝くじを売り初めて1年目,100枚くらいしか売っていない中から,1等(東京都宝くじ1千万円)が出ている。これがツキの始まりだった。’87年からは7年連続ジャンボ1等を出し,一躍全国的に有名に。「ある日の早朝,2トントラックが家に突っ込んできたんですよ。家は大破したんですが,寝ていてかぶっていたふとんのおかげで,家族全員ケガひとつしなかった(笑)」
よく「もらい事故に遭ったら買え」と言われる。「当てられる=当たる」にひっかけたものだが,ツヤさんの大当たりパワーの逸話のひとつだ。
ツヤさんのアドバイスが「億」を招いたこともある。「母娘で年末ジャンボの当せん確認にきたんです。残念ながら末等しか当たってなくて『今回もダメだった』とがっかりされていたんで『末等の当せん金分だけ,いま売っている初夢宝くじはいかがですか』と勧めたんですよ。気持ちよく『じゃこれも縁だから』と買ってくれて。そしたらこれが1等1億円! あとで母娘でお礼に見えて『マンション2軒買いました』と」